足跡

研究生活を始めて2ヶ月半余りが経過した。

これまでただがむしゃらに突き進んできた私であったが、

改めて自分のルーツと現在の立ち位置を見直す機会を得た。

 

自分はここで何をしたかったのか、自分は何のためにここにいるのか。

そのために今自分は何をしていて、何が必要なのか。

 

現在行っていることの本来の目的は本格的な研究のための前段階、いわば基礎研究であったのだが、いつしかその基礎研究にのめり込み、前へ前へと突き進むようになった。

不安から目を背けたいという気持ちがそれを後押ししていた。

 

前だけを向いて突き進んできたその足跡を振り返ってみると、そこにあったのは地に足がついていないような足跡ばかりだった。

ただ前だけを見続けた結果、一歩一歩を疎かにして自分の終着点さえ見えていなかった。

 

壁にぶつかって思う、今までが駆け足過ぎたのだと。

そのせいで、周りが見えなくなっていたと。

 

まずは改めて自分の目指す山から見定めようと思う。

これまで突き進んできて、周りの景色は大きく様変わりしたのに自分がそれに気づいていなかった。だからこそ次に進むべきルートを常に探していた。

自分が成したいのは、世界に新しいことを生み出すということのはずだったのに、

いつしか道筋となる他人の足跡を探していた。

改めて周りを見渡すと、漠然と自分が目標にしていたものがはっきり見えてきた。

ところどころに靄がかかっているが、以前より遥かに鮮明に映る。

 

目指す山が見えたら、改めて見定めようと思う。

今立っている現在地と、これから山を登る為に何が足りないのか。

何を知らなければならなくて、何を身につけなければならないのか、

どんなルートを辿るのか。

 

ここで一度自分を見つめ直し、改めて一歩一歩着実に歩みを進めていこう。