人に流される
参院選が一昨日行われたので、それに関わるネタを綴ろうと思う。
選挙期間中、ネット上で有権者の声をしばしば目にする機会があった。
率直に言ってなかなか面白い意見もあるものだと感じた。
但し、良い意味ではない。
所謂(日本的な意味での)右翼の一部の有権者からは、民共が力を持ったら国が滅ぶという声が聞かれた。
差別的な発言になり憚られるが、彼らが言うには民共、とりわけ共産党は在日ばかりだから、力を持つのは売国を意味するらしい。
ここで興味があるのは、どこからその情報がもたらされたか、という点である。
詳しい出処はわからないが、間違いなくどこかからもたらされた情報を鵜呑みにしているのだろう。
外から入ってくる情報を拒絶するべきではない。
なぜなら、もたらされる情報には自分一人では知り得ないことも多いからだ。
問題は鵜呑みにすることである、これはいただけない。
周囲の情報を鵜呑みにする人間は、得てして都合のいい情報は受け入れ、
都合の悪い情報は切って捨てる。要は情報への応答が1か0なのだ。
思考停止というよりほかない。結局、周囲の情報に支配される。
例えば1+1を3という人がいたとする。
その情報を鵜呑みにすれば言わずもがなその情報に支配され、1+1を3と考えるようになる。
尤も、多くの人はこの情報は間違いだと言うだろう。
外部の情報を否定するには何らかの根拠が必要であるが、
学校でそう覚えさせられたから、と答える人が多いだろう。
前者であれ後者であれ、実に権威主義的で情報に支配されているという点に変わりはない。信じる対象に違いがあるだけである。
しかし、日常生活において自分の信じる対象が必ず正しいとは限らない。
だからこそ権威主義的に盲信するのではなく、周囲からの情報を吟味する必要がある。
周囲からもたらされる様々な情報の一つ一つを吟味し、そのうちの必要な部分を取り込み、自身の血肉とすべきではなかろうか。
周囲の情報に支配され、人に流され生きるより、
考えて生きるほうがよほど良い人生だと私は思う。
元々は私自身の政治的思想に触れようと考えていたのだが、綴っているうちにメディアリテラシー的な内容になってしまった。
なので私の政治的思想はまた別の機会に預けることにする。