山と谷
昨夜以来、自分がここで何をしているんだろうと感じる。
所謂プチ五月病というやつであろうか。
切っ掛けはテレビで地元の祭りを取り扱った番組を見たことにある。
研究は一瞬の感動のために試行錯誤を繰り返すようなもので、
うまくいかないケースは往々にしてあるものだ。
壁にぶつかって頭を働かせることは好きだが、それが続くと精神がもたない。
身体的な疲労が蓄積しているときは、一等辛い。
そんなときに楽しそうな人や祭りを見れば、冒頭の様な感情を抱くのも道理だろう。
幸福な時間というものにはある種の中毒性がある。
苦しければ苦しいほど、即ち幸福な時間から遠ければ遠いほどその時間を渇望する。
しかし、普段の生活における苦悩の蓄積こそが、一瞬の幸福を更に引き立てる。
要するに、山と谷である。
谷を知ればこそ、山の高さを知ることができる。
こうして自分の心を取り出すと、吹っ切れる。