変化

ここ数年間で、四季を愛でるようになった。

 

大学という空間は、様々な意味で他の世界と隔絶されている。

多くの人が親元を離れ、かつ社会人の様に様々なしがらみに囚われているという訳でもない。(無論個人差はあるが、、、)

そんな環境のおかげで、興味を持った事柄に思うままにトライしてきた。

一方でそのマイペースすぎる生活は、次第に自分と世界とを隔絶させていく。

 

それ以前は、日常の中で意識せずともめぐる季節を感じる機会が多々あった。

風景、気候、行事、食べ物など挙げるときりがない。

こうしたものに触れる機会は、マイペースに生きると存外少ないものだ。

そして世界の時間軸と自分の時間軸との間にズレが生じ始めた。

自分の時計は止まっていたと言ったほうが正しいかもしれない。

いろいろなことをしても、何か満たされない感情を覚えた。

 

人がものの大切さに気づくのはそのものが欠落した時なのだ。

 

めぐる季節の大切さに気づいて以来、それを意識するようになった。

意識し始めると、見える世界ががらりと変わる。

四季折々の風情がより鮮明に映り、愛おしく思える。

かつては五月蝿いと感じていた夏の夜の蛙の鳴き声も、今となっては待ち遠しい。

 

先日四季について書こうと決めたのもあるが、それ以上に最近の気候になんとも言えない違和感を覚えたことが、この文章を綴るに至った最大の理由だ。

いつまでも今のテーマでは研究をできないであろうことは自分自身よくわかっている。

しかしどんな研究をするにせよ、環境への配慮という点は考えていたいものだ。